あきれる被爆地。自由社、長崎原爆写真を「広島」と説明


 
長崎新聞 9日付朝刊
長崎原爆を広島と誤記 教科書写真 自由社 訂正申請へ
 
新しい歴史教科書をつくる会」が主導し、今春の教科書検定に合格した自由社(東京)の中学歴史教科書の2012年度版で、「広島に投下された原子爆弾」として掲載された写真が、長崎に投下された原爆の写真だったことが8日、分かった。
来春から使用予定で、同社は近く文部科学省に訂正申請する。
自由社によると、同じ写真は11年度版には「爆発した原子爆弾」として掲載していたが、担当者が説明文を差し替えた際に間違えたという。
自由社の中学歴史教科書では、日本史年表のほぼ全部を東京書籍の教科書から流用していたことも判明している。
 
中国新聞 9日付朝刊
長崎原爆写真「広島」と誤記 自由社の中学歴史教科書
 
新しい歴史教科書をつくる会」が主導する自由社(東京)の2012年度版中学「新しい歴史教科書」で掲載した、長崎の原爆投下時の写真説明を「広島に投下された原子爆弾」と誤記していたことが8日、分かった。自由社は近く文部科学省に訂正を申請する。
自由社によると今月、外部からの指摘で発覚した。長崎への原爆投下時のきのこ雲を撮った写真だったが、執筆者が広島だと思い込んで説明を書いた、という。教科書は今春の教科書検定に合格。各教育委員会が来年度の教科書を選ぶための見本の段階で、使用している学校はない。
この教科書をめぐっては、日本史の年表のほとんどを東京書籍(東京)の教科書から流用していたことが判明したばかり。自由社は「大変申し訳ない。現時点で学習上の支障はなく、写真説明を訂正する」としている。5月に発売した市販本は回収を進めている。
文科省は「検定では明確な違いだと認識できなかった。訂正してもらい、速やかに内容を確認したい」としている。(野田華奈子)
 
朝日新聞 9日付朝刊
原爆写真 長崎を「広島」と誤記 「つくる会」主導編集の教科書 12年度版
 
新しい歴史教科書をつくる会」主導で編集された「自由社」(東京都文京区)の2012年度版の中学校歴史教科書で、長崎で原子爆弾が爆発した写真を「広島に投下された原子爆弾」と誤記していたことがわかった。
現在学校で使われている10年度版には、投下地を特定せず「爆発した原子爆弾」との説明で同じ写真が掲載されているが、つくる会の執筆者が12年度版を作る際に、広島の写真と思い込んだという。
現在、来年度から使う教科書を各社の12年度版から選ぶ「採択」の作業が、各地で行われている。同社は今後、文部科学省に訂正を申請し、12年度版の使用が始まる来年春までに修正すると説明している。
自由社の12年度版をめぐっては、東京書籍(東京都北区)の02年度版教科書から年表の多くの部分を流用していたことが判明しており、自由社文科省に訂正申請して新しいものに差し替える考えを示している。同社の担当者は「教科書の信用性を失う問題が続き、大変申し訳ない」と述べた。