年表盗用の自由社版教科書は回収されていない!


この写真は、回収されずに東京都内の有名書店の店頭に置かれている自由社版歴史教科書の市販本です。
自由社=「新しい歴史教科書をつくる会」が歴史教科書の年表を東京書籍から盗用したことを認め、市販本の回収を書店に依頼したものの、最初に盗用した2010年度版(08年度検定合格、09年度採択)の教科書が、今も横浜市立中(8区)や一部私立中で使われています(8日付「年表盗用・自由社は現行版も回収せよ!」)。
写真の市販本は、その10年度版教科書の市販本で09年5月に発売された「日本人の歴史教科書」(ISBN:4915237508)です。自由社が書店に回収を依頼したのは今年発売された「市販本 新しい歴史教科書」だけで、「日本人の歴史教科書」は回収対象にしていません。
年表盗用の元祖が店頭に堂々と残っているのです。
この問題については高嶋伸欣さんも横浜市内の書店で「日本人の歴史教科書」を発見し、「週刊金曜日」8月19日号で下記のように指摘しています。

それでも遅まきながら、8月1日になって、各紙が一斉に自由社版歴史の年表盗用問題を報道した。これで、藤岡信勝氏による自由社版は、採択の場からの脱落が決定的となった。
だがこの件の報道も浅薄で、年表盗用は10年度使用の現行版の時からであると指摘したのは、『朝日新聞』と共同通信の配信記事だけだった。さらにそれらも、現行版の市販本『日本人の歴史教科書』(自由社)を回収の対象とする必要性には、言及していない。自由社版が09年に採択された横浜市内の大型書店では、今回の見本本(引用者注・市販本の誤り)を回収したが、『日本人の……』の方は、8月3日以後も店頭に置いている。