年表盗用・自由社は現行版も回収せよ!

自由社が他社から盗用した年表は、現在採択手続き中の来年度版だけでなく、昨年度から今年度まで横浜市立中(18区中8区)や一部私立中で使われている現行版でも使われていることを忘れてはなりません。
4日付神奈川新聞から

継続使用に疑問の声、年表盗用の自由社中学校歴史教科書/横浜
 
東京書籍の教科書から年表を盗用していた自由社版の中学校歴史教科書を使っている横浜市内8区の73中学校では3日、今後もこの教科書を使い続けることが分かった。市販本は回収を始めた自由社が、教科書では新版(2012年度版)の年表差し替えにとどめ、現行版(10、11年度版)については措置しないため。社会科教諭たちからは「子どもに教えるのにふさわしいのか」と疑問の声が上がっている。
 ■ほぼ引き写し
自由社は年表について「以前からほぼ引き写しであり、東京書籍の著作権を侵害した」と認め、東京書籍と協議し(1)市販本の回収(約1万冊)(2)各自治体の教育委員会に送った新版見本本の年表差し替え(3)横浜市立中学校など現行版を使用している中学校長へのわび状送付―の措置を取るとした。各教委で現在行われている採択の対象である新版についても、文部科学省に訂正申請し差し替えるという。
一方、中学生が使っている現行版について、自由社は「年表自体は間違っておらず、差し替えなどは逆に混乱を招く恐れがある」と対応を検討していない。東京書籍側も、盗用は遺憾としながらも「権利関係など、あくまで(自由社と)2者間の問題。他者を巻き込むことは是としない」と、新版に限って年表の差し替えを要求している。
 ■「信用できぬ」
取り残されてしまったのは、横浜市立中学校の3万人近い生徒たち。10年度から使用されている教科書は、卒業まで使うことが決まっている。
「これでは教科書が信用できなくなってしまう」。自由社の歴史教科書で教える市立中学の50代男性教諭はため息交じり。昨年、掲載内容に誤りがあったとして正誤表が配布されたばかりで、「子どもに教える教科書としてふさわしいのか疑問だ」。ただ生徒たちにそう伝えるのは「あまりにも忍びない」。副教材も活用し授業展開を模索しているという。
 ■「問題はない」
横浜市教委は「現行の教科書を使い続けることについて、文科省も問題ないとしており、法に照らしても市教委として取るべき措置はない」としている。
横浜市教委は09年8月、市内8区で現行版を採択。4日、全市一括採択に制度変更した12年度から使用する中学校の教科書採択を行う。
2011/08/04 16:00 【神奈川新聞】