自由社版教科書「原発は安全」こっそり削除

新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版中学校公民教科書が“原発は安全”という記述をこっそり削除し、文部科学省の訂正承認がないままフライイングで市販本を発売しました。


自由社版公民教科書の見本本(採択審査のために教育委員会などに配布した教科書)の記述(p173)

 
自由社版公民教科書の市販本(書店で販売されている教科書)の記述(p173)

 
自由社版公民教科書は原子力発電について、「原子力発電では安全性の高い技術を確立し」という記述で検定に合格し、見本本を作成して配布しながら、一般の目に触れる市販本ではこっそり削除し、「2011(平成23)年の東日本大震災にともなう原子力発電所の事故は、エネルギー問題について改めて深刻な問題をつきつけました」と、したり顔の修正を行っています。
自由社文部科学省に自主訂正を申請したものの、承認が得られないため、見切り発車で市販本を発売したとみられます。
 
※補足
誤解に基づいたご意見をお寄せくださった方がいますので、補足します。
福島第1原発事故を記述したのがいけないと言っているのではなく、文部科学省への訂正申請がその時点で認められず、見本本(採択審査のために教育委員会などに配布した教科書)では修正できなかったのに、見本本と同一であるというのが前提の市販本(書店で販売されている教科書)では見切り発車で記述を変え(今も文科省の承認は出ていないかもしれない)、したり顔で「深刻だ」と言っていることが問題なのです。
採択関係者が見る教科書と、一般読者が見る教科書の中身が違うのです。