自由社版教科書による年表盗用を朝日新聞が報道

新しい歴史教科書をつくる会」の自由社版中学校歴史教科書の巻末にある「歴史年表」は東京書籍からの盗用であるという問題が、きのうの朝日新聞朝刊で報道されました。


 
「つくる会」歴史教科書が年表丸写し 市民団体が指摘
 
市民団体「子どもと教科書全国ネット21」(事務局・東京)は13日、横浜市で記者会見を開き、「新しい歴史教科書をつくる会」主導で編集された自由社の中学歴史教科書2012年版の年表が、東京書籍の02年版教科書とほぼ一致していると発表した。
同ネットによると、両教科書の年表の「日本のおもなできごと」で、「縄文時代 採集や狩りによって生活する」から「1997 アイヌ文化振興法制定」までの約180項目すべてで出来事の選択が一致した。
9項目で「大和国家」「太平洋戦争」(東京書籍)と「大和朝廷」「大東亜戦争(太平洋戦争)」(自由社)などの違いがあった以外は表現も一致していた。
横浜市内8区の市立中学校で自由社の10年版教科書が使われており、10年版もほぼ同様の状態だったことから、同ネットは今回、横浜市で発表したという。
同ネットの俵義文事務局長は「丸写しで盗用した可能性が高い。他社が改良を重ねて築いた成果を勝手に使うことは大問題だ」と指摘。他にも同様のケースがないか調べているという。
東京書籍は「初めて聞いた話で驚いている。事実関係を確認のうえ今後の対応を考えたい」としている。
自由社版教科書の代表執筆者で「つくる会」会長の藤岡信勝さんは「指摘を受けるまで気づかなかった。年表作成の担当者は自由社を退社しており、経過を確かめようもないが、関係者に迷惑をかけ、深くおわびする。夏にこの教科書が採択された後、来春の使用開始までに充実した年表につくり直す」と話した。


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